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GARGERYの新しい一歩 – GARGERY23 Wheat

2009年7月1日、GARGERYが新しい一歩を踏み出しました。この日、初の壜商品「GARGERY23 Wheat」(ガージェリー・トゥースリー・ウィート)を発売したのです。

それまでGARGERYブランドは、製造直後の美味しさを皆さまにお届けするために、頑なに樽商品にこだわってきました。しかし、樽だけでは広がりに限界がある・・・そう感じていた中での商品開発、そして満を持しての発売でした。

G23Wラベルアップ

樽を壜詰するだけでは意味がない

GARGERY23を発売する以前、お店に樽商品を紹介すると、「壜はないの?」という質問をよくいただきました。樽は様々な理由によって導入が難しいけれど、壜ならば簡単に入れられる・・・というお店は少なくないのです。
私も、取扱店を増やすために壜のアイテムは是非欲しいと思っていました。しかし、樽の中身をそのまま壜に詰めることだけはしたくなかった。

何故か・・・コンディションにとことんこだわり、樽を商品化したGARGERYのポリシーを否定してしまうから。
そして導き出されたのが、「壜内熟成」による商品化でした。

壜には壜であることの理由をきちんと求めたのです。

GARGERYらしさにこだわったヴァイツェンタイプ

GARGERY23 Wheatはヴァイツェンタイプのビールです。何故あえて「タイプ」を付けるのか。それは、本来のヴァイツェンビールとは原料組成が異なるためです。ヴァイツェンビールというのは小麦麦芽を使うことが大きな特徴で、その使用比率は50%以上というのがひとつの基準になっています。
この商品にもGARGERYらしさを盛り込みたかった私は、あえてこの基準を無視し、小麦麦芽の使用比率を下げ、大麦麦芽を増やしました。これによって、よりボディ感のある、味わうスタイルのビールになったと考えています。
一方、酵母はヴァイツェン用の酵母を使っていますので、ヴァイツェンらしいフルーティーな香味もしっかりと付与されています。この絶妙なバランスを是非味わってみてください。

*商品名の「Wheat」は「小麦」という意味です。

ホップの使い方にも秘密が

樽のGARGERYにはアロマタイプと呼ばれる香り重視のホップを中心に使っています。しかし、壜内での長期熟成を前提としたGARGERY23では、苦味重視のビタータイプのホップを100%使用しています。
実は、ホップの使用量が多いと、長期壜内熟成する間に、意図しない余計な香味の変化が起こりやすくなると感じています。そのため、同じ苦味を付ける際に使用量を減らせるビタータイプのホップを選びました。こんなところにも工夫が隠されています。
ちなみに、使用しているホップは、ドイツ・ハラタウ地方産の「Northern Brewer」(ノーザンブルワー)種です。

ラベルデザイン

GARGERY23 Wheatのラベルをデザインしていただいたのは、デザイナーの太田益美さんです。

G23Wラベル候補
太田さんからは、上の写真のような上質感溢れる4種類のデザイン案が提示されました。これらを前にした私たち、ご覧の通りどれも捨て難い素敵なデザインだったのですが、意外と迷うことなく、今のラベル(一番左)で意見がまとまりました。ビールっぽくないデザイン、斬新な色、一番大事な要素である壜内熟成=BOTTLE CONDITIONを強調した点、そのあたりがポイントだったでしょうか。
皆さんならどれを選びますか。

さて、こうして登場したGARGERY23 Wheat。おかげさまで取扱店も順調に増え、皆さんの目に留まる機会も多くなっていると思います。見かけた際は是非その味わいをお試しください。

GARGERY23について、「23」(トゥースリー)の意味って何?・・・と聞かれることがよくあります。これには誕生秘話があります。それについてはまた記事を改めて紹介します。お楽しみに。

商品 タイプ(全て上面発酵) 発売
GARGERY STOUT スタウト / 樽詰 2002/12
GARGERY ESTELLA ペールエール / 樽詰 2004/6
GARGERY23 Wheat ヴァイツェン / 壜内熟成 2009/7
GARGERY23 BLACK スタウト / 壜内熟成 2010/5
GARGERY23 Xale ペールエール / 壜内熟成 2012/9
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