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ガージェリーは地ビールではない

先日書いた「もやしもん」の記事。その中で、地ビールに関する話題を取り上げました。実は、ガージェリーの営業に行った時、よく聞かれる質問があります。

「要するに地ビールですか?」

そんな時は必ず、「地ビールではありません。国産プレミアムビールです。」と答えるようにしています。
まあ、呼び方なんぞどうでもよいと言えば良いのですが、作品の中にも出てくる地ビールという言葉に対する偏見、誤解もあり、私自身は結構気にしているので、「もやしもん」にかこつけて、これについて少し書いてみます。

地ビールメイン

「地ビール」のイメージは?

皆さんの地ビールに対するイメージはどのようなものでしょうか。

  • 観光に行った時に飲んだのは美味しかったけど、買って帰ったらそれほどでもなかった。
  • 地ビールって値段が高いから・・・。
  • ちょっと変わったタイプのビールが多いよね。
  • たまに飲むのはいいけど、いつも飲むのはやっぱり普通のビールがいい。

最初の2例は真実をついている部分がありますし、後の2例は日本のビール文化の底の浅さを露呈してしまう残念なイメージですね。このようなイメージで捉えられることが嫌なのも、「ガージェリーは地ビールではない」と言い続けている理由の一つです。

「地ビール」って何だ

そもそも、「地ビール」という言葉は、日本酒の「地酒」に対応する言葉として使われ始めたのは間違いないのですが、正式な定義はあるのでしょうか。

まずは酒類業界の所管官庁である国税庁のホームページを見てみました。探してみると、いくつかの文書に次のような表記が存在します。
・・・「小規模なビール製造業(いわゆる「地ビール」)」

また、「地ビール等製造業の概況」という資料があり、その調査対象者として、
「アサヒビール株式会社、オリオンビール株式会社、麒麟麦酒株式会社、サッポロビール株式会社、サントリー酒類株式会社を除く」・・・と書いてあります。

もう一つ、日本地ビール協会の小田会長が、「地ビールの現状と今後の動向」という記事(1998年)の中で、地ビールの定義についても述べておられます。

これらを踏まえ、また、一般のお客様の感覚からは、「地ビールとは大手5社以外のビール」ということになってしまっているのが現状のようです。

「地」=ローカリティーを売りにしていない

前述の現状はともかくとして、私は、地酒や地ビールの「地」は「ローカリティー」だと思っているので、その地域に根差した商品、地域そのものを売りにした商品というイメージを強く感じます。
ガージェリーの製造委託先は新潟県のエチゴビール社ですが、ガージェリーは今のところ(2011年5月現在)、新潟では飲めません。ガージェリーの商品規模に合致し、期待する品質を維持し、大消費地である東京に比較的近い醸造所を探した結果が、たまたまエチゴビール社だったのです。
このように、新潟というローカリティ―(=地域性)を売りにしていませんし、従って、「新潟の地ビール」と言われることにはとても違和感を感じてしまいます。
例えばキリンのプレミアムビール「ブラウマイスター」は以前から同社の取手工場で造られていますが、これを「取手の地ビール」と呼ぶのと同じ感覚・・・と言えば分かっていただけるでしょうか。やはりおかしいですよね。

ガージェリー独自のプレミアムを提供する

ということで、「ガージェリーは地ビールではありません」というのが私の主張です。ガージェリーは、他のメーカーにはない独自のプレミアムを提供していると考えていますので、「国産プレミアムビールです」と自信を持って主張しているのです。
頭の固い国税庁はさておき、言ってみれば、「地ビールか、そうではないのか、」というような議論からは離れたところでやっていきたいと思っています。

「地ビール」に対しては、その味わいの面でも独特の捉え方があるようです。「地ビールみたいな味」という言葉も良く聞きます。そのあたり、記事を改めて書いてみます。

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