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「GARGERY HOUSE」の思い出 #2 – 10周年へ向けて

2003年5月12日、めでたく開店した「GARGERY HOUSE」ですが、その前途は多難でした。お客様に飲食店に来ていただくことがどれだけ大変なことか、分かっていたつもりではありましたが、改めて、身をもって知ることになったのです。同時に、自分たちが創り出した商品の価値を、全く別の形で教えていただくことになりました。

Gハウスプレート

コンセプトショップなど必要なかった

「GARGERY HOUSE」を開いた目的は、前回の記事にも書きましたが、

  • できるだけ早く、より多くの皆さんにGARGERYを知っていただこうと思ったこと
  • GARGERYはこんなシチュエーションで飲んでもらいたいという私たちの思いを感じていただこうと思ったこと  ・・・でした。

その背景には、私たちがGARGERYを置いていただきたいと望む飲食店に、そう簡単には置いていただけないだろうとの考えがあったのです。

ところが、これが大きな間違いでした。当時唯一の商品だった樽のGARGERY STOUTリュトン・グラスを携え、私たちが営業を開始したのは2002年12月の初旬。その後、2003年5月12日に「GARGERY HOUSE」が開店するまでの半年足らずの間に、なんと33店もの飲食店でお取扱いいただいたのです。そして、そのいずれもが、私たちがこのような飲食店に置いてほしいと、まさに望んだお店だったのです。
これは、私たちのGARGERYを評価していただいた結果であり、とても光栄なこととしてその後の大きな自信にもなりました。

一方、そのような状況になってきたことで、多額の出資をして自らの飲食店を持つ必要などない状況になっていったのです。

「GARGERY HOUSE」の苦闘

それでも、「GARGERY HOUSE」は、各界の皆さんにご出席いただいたレセプションを経て営業を始めました。

Gハウスレセプション
しかし、そこからが大変でした。予算通りの売上げを確保することはなかなかできず、日によってはご来店いただいたお客様の数がスタッフの数よりも少ないということもありました。お酒や料理のクォリティには自信があったのですが、どこかでお客様のニーズと離れた部分があったのでしょう。結局、飲食店としては利益を上げるに至りませんでした。店の運営は委託していたとはいえ、当事者である私たちが、次々と増えるお取扱店を前に、「GARGERY HOUSE」の経営まで気が回らなかった、危機意識が低かった、というのが原因の一つだったと思い返しています。
もちろん、GARGERYの広告塔としての役割があったわけですから、持ち出しの費用は広告宣伝費と考えていたのですが、それにしても分不相応の広告宣伝費となってしまったのです。

Gハウスエントランス

コンセプトショップの役割を終え、閉店へ

開店から1年も経っていなかった2004年3月31日、“「GARGERY HOUSE」の今後”についての話し合いが関係者間で始まりました。そして、同年6月7日、GARGERYのコンセプトショップとしての役割は終了し、飲食店としても展望が開けない、ということから、賃借物件の契約更新時期にあたる2005年1月21日をもって閉店することを決めたのでした。

飲食店の消長の速さ ~ 飲食店に必要なもの

「GARGERY HOUSE」が閉店した2005年1月の時点で、ガージェリーのお取扱い店は211店まで増えていました。しかし、約6年半後の現在でもお取扱いいただいているのは、その211店の内42店のみ。残存率19.9%です。お店自体がなくなったところ、取扱い商品の見直しでガージェリーがなくなったところ等、ケースは様々ですが、飲食店の消長の速さを感じずにはいられません。
逆に、今でもお取扱いただいている42店は、それぞれ特徴がある素敵なお店ばかり。それらのお店を拝見していると、飲食店として大事なものが自然と見えてくるような気がしています。ぶれない姿勢、情熱、魅力的な「人」、良いお客様・・・そうしたものが揃っている飲食店が残ってきているのだと強く感じます。
「GARGERY HOUSE」はうまくいきませんでしたが、その後の営業活動にとって、良い勉強をさせてもらったと、今では思っています。

これからのGARGERY ~ 10周年へ向けて

「GARGERY HOUSE」の閉店後は、ただひたすら飲食店への営業活動を続けてきました。経済情勢の悪化もあり、決して安穏とした状況ではありませんが、多くの飲食店様、お客様に支えられ、何とかここまで続けてくることができました。来年2012年7月には会社設立10周年、そして12月にはGARGERY STOUTの発売10周年を迎えます。それらを記念する新商品開発にも取り組んでいるところです。
久しぶりに「GARGERY HOUSE」を振り返ってみて、GARGERYへの思いを新たにすることができました。多くの関係者の思いが込められているGARGERYブランドがお客様に愛される存在であり続けるために、これからも「ぶれない姿勢」で、「情熱」を持って取り組んでいこうと気を引き締めています。

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