―enamel.はどのようにして始まったのですか?
私たちはもともとは別々に活動してまして、彼はグラフィックデザイナーとして事務所に 入って活動していたし、私は1人でbagをデザインして大きな展示会に参加しつつ量産できる ものを作っていました。その頃は今みたいに1点1点手作りのスタイルではなかったし、 お互い仕事上の接点はほとんどなかったですね。enamel.としての活動は、2001年に 「2色刷り印刷の機械と製本の機械を使って本を作る」という企画にたまたま彼が参加した のがきっかけです。伊藤圭司さんとかヒロ杉山さんとか、いろんなグラフィックデザイナー の方が30人くらい作品を展示したんですが、その中の1人として。その時におっきな紙に プリントをして本を作ったんですが、「本だけじゃやっぱり面白くないよね」っていうので そのプリントと同じ版を焼いて布に刷ったんです。そしたら「せっかく布に刷ったから何か 作ろうよ」ということになって、たまたま私がその布でbagを作ることになって、bag作った ら結構欲しいっていう人もいたのでカタログを撮影して。ほんとそういう、「じゃあこうし よう、じゃあこうしよう」っていう感じで話が進んで行って、最後は作ったbagをnet上で販 売することになって。最初は先にbagを作って布のここにプリントを乗せて、っていう風に bagの制作とテキスタイルデザインを完全に分けて作っていたので分担がハッキリしていたん ですけど、だんだんグラフィックからbagをおこしたり、最初から一緒に参加して コラボレーションみたいな形で作るようになりました。
―enamel.のbagは1点1点手作りで制作されているのですか?
そうですね。結局量産はスタイルが合わないということで、いまは作れる量は少なくなり ますが、全て手で作ってます。量産のサイクルでやってる時にも、「あれ欲しかったんだ けど」とか「あの時のこれが欲しいんだけど」とか、問い合わせがあったんですよ。でも 量産だから売り切れちゃったらもう、個別対応で作るのは無理でした。工場使っちゃうと 1個2個だと作ってもらえない。手作りで再現することも出来るんですけど、それをやって たら次のコレクションが作れない。それに展示会に出す場合、一回に作る量が、20個とか、 とにかく多すぎるから結局全て中途半端になっちゃう気がするし、もうちょっと掘り下げて やりたいな、と思ってたんです。で、そういうのも含めて、少量ずつ手で作れば対応して いけるし、海外からも「欲しいんですけど」とか言われることがあるんですね。そういう のも1個ずつ応えられるし、逆にそういうのに応えるにはどうしたら良いんだろう、って 考えてたら今のやり方になったというか。それに人の噂で聞いたんですが、お店の人が私 たちのbagを「ロスのデザイナーが作ってるんですよ」って説明してたらしくて、なんかね、 結局そういう風になっちゃうんだ、って思って。そういうの、つまんないですよね。
―海外からもコンタクトがあるのですか?
あります。数ヶ月に一回はメールがきます。どこで知るのか分からないん ですけど、みんなwebを見てメールをくれるみたいです。それでこの間は スペインからアートイベントに参加してくれないか、っていう連絡が来て、 ギャラリーに展示するbagを制作しました。そのスペイン人のプロデュー サーの方はフットワークが軽くて、「海外でいろんな人に紹介したい」っ ていう風に言われて、ロンドンとかいろんな所に行ってくれて。今その流 れでドイツのwebマガジンのためにドイツをテーマに制作しているんです けど、そういう話が流れて来たりとか。
―その人はどうやってenamel.を知ったのですか?
webを見て、という風に仰ってました。今後どうなるか分からないですけ ど、普通のやり方とは違う感じに広がれば面白いな、と思ってます。
―enamel.のbagは1点1点手作りで制作されているのですか?
共通して言えるんですけど、どちらとも取れるような関係が好きで、毎回そ ういうテーマでコレクションを発表しています。例えばこの間、美容室の SHIMAで頼まれて展示したときは食虫植物っていうテーマだったんですけど、 普通は虫が植物を食べるのに、食虫植物の場合は植物が虫を食べちゃう。 食べられる側、食べる側が逆転しちゃう、っていうあべこべな関係がテーマ で。既成概念からはズレているんですよね。でも機能としては成立している。 それが面白いと思うんです。そういうどっちがどっちか、みたいな関係が好 きで、制作しながらその境界を探している感じです。 あとはあんまり無い形であんまり無いものを作りたいと思ってるくらいです ね。誰もやってないようなやり方でやりたいとも思うし、見たこと無いもの を作りたいとも思うし、その可能性を感じるのがファッションだったりして、 最近はアパレルの会社から「enamel.みたいなイメージでプリントしてくれ 」っていうオーダーが結構あります。それが実際洋服になったら嬉しかった りして、着てみたりとかするんですけど(笑)。 展示をするのは大変ですが、やっぱり面白いんですよね。いろんな可能性感 じるし、空間を通して見ると、bagのイメージも変わると思うんです。その 空間の雰囲気でものを見せられると、結構「うわっ」てなる時もあるし、難 しいけど面白い。いろんな見せ方で、空間で立体的に見せたりとか、webで 平面で見せたりとか、なんかそういうことをする時間を作るために量産を止 めているようなところもあるので、展示は続けていきたいですね。 一応予定では来年、展示して見せられるような場所が出来る予定です。 ショップっていうよりはアトリエですね。出来上がったものをお店でハイって 見せるんじゃなくて、作ってる過程も含めて空間の中で見せるような場にした いな、って思ってます。
2001 enamel.として活動開始
2002.12 ドイツ・ベルリンにあるshop、apartmentにてwindow displayを行う
2003.6 中目黒gas shopにて展覧会を開催
2003.10 TOKYO DESIGNERS BLOCKに共同出品。enamel.は木材へのprint designを担当し、interior desiner”ima”、textile factory”yaezawa”と共に家具を製作する。
2003.10 渋谷”DESPERADO”のwindow displayを行う
2004.1 DISNEY Tshirtデザインの企画に参加
2004.3 スペイン・バルセロナにあるgallery+shop、maxalotにて展示を行う
2004.4 04TDC展における、ギンザ・グラフィック・ギャラリーの展示へ出品 
2004.7 SHIMA原宿店の店内で展示を行う
2004.7 FUJI ROCK FESTIVAL’04でバンド、”東京事変” のVJビジュアルを担当。PVのビジュアルも一部担当 
2004.12 FACTORY(原宿)にて展覧会を開催
連絡先
URL http://www.enamel.jp.org/  MAIL  factory@enamel.jp.org