人間の理想を生み出したい

-どうしてファッション写真という分野を選んだのですか?
いろんな方と一緒に何かを作るのが面白いな、って感じたのが始まりです。それに、理想を形にするのが面白かったから。ファッションって、男性の目をひきつけたい女性の願望、つまり、強いオスを得て、より優秀な遺伝子を残すという野性的な本能がルーツですよね。でも、経済力があれば高価な服を手に入れて思いどおりにファッションを楽しめるけれど、それができるのはごく一部の人たちだけだと思います。私も含め、大半の人にとってはそれは、理想であると思うんです。ファッション写真では、その理想をもっと掘り下げたり、逆に実現不可能なぐらい壮大な表現も、写真というかたちにできてしまう。そこが魅力的でした。
 
  エレガントの中に内面の美しさを

-最近はどのような写真に興味があるのですか?
ファッション写真の理想を追い求めた形の中に、想像を広げるものというか、見て「ああ、綺麗だね」だけじゃ終わらないものが撮れたら一番嬉しい。表面上の良さだけじゃなくて中身がある写真は何回見ても奥深くて、そういう写真は残るんですよね。女性の内面の美しさをエレガントな写真の中で表現したい。難しいですけど。私、写真が男性っぽいとよく言われるんです。女性を撮るのが好きなんですけど、その女性の撮り方、捉え方が、そのエロティシズムの追求の仕方っていうのが男っぽいと言われるんですよ。品のないエロスは好きじゃないので、品だとか、エレガントさだとか、エッジのある部分というのは絶対に入れて、ほんとに単純にエロティシズムっていうのを美しいものにしたい。エロティシズムがなかったらもう、人類繁栄しませんから(笑)。いつも裏テーマを作って、二重にも三重にもストーリーを構築してます。それで見る人が「この服、なんでこんなところで着ているんだろう」って、気にしてくれたら勝ちだなって。
 
  チャンスは自分の行動次第

-森崎さんの場合は、運が良いというより運を作っているように感じますが?
そうですね。チャンスはいくらでもあるけどそれをこう、自分のものにするかしないかは自分の行動次第ですから動かないと、やっぱり。動けば必ず何かしら成果が出るっていうのは信じてやってます。昔からそうですね。反面ものぐさなんで、「これは駄目だ」って思ったものに対して絶対動かないんですよ。ここぞって言う時だけうわーっと行く。今のところ間違ってないのかな、自分のなりたいものにはなっているかなという気がします。
 
  ファッションとは対極の大自然を撮りたい

-今後の目標は?
ファッションという作り込んだ世界と対極なんですけど、人の力が全く及ばない、すごくスケールの大きいものを撮りたくて。興味が極端なんですよ。グランドキャニオンみたいな自然がすごい壮大なところ、砂漠だとか、そういうところに行ってシャッターを押してみたいですね。あまり目にしないものの力と言うか、自然の力の偉大さを、あまり人が触れる機会がないところのものを写真に残せたらいいなって思うんです。ただ行ってみたいっていうだけなんですけどね(笑)。もちろん写真は撮りたいですよ。写真撮りながら旅行する、それが一番やりたい事ですね。
 
  贅沢がないと人間は駄目になる

-森崎さんどんな時にお酒を飲むんですか?
お酒は1人では絶対飲まないですね。好きですけど。お酒というより、そこの空間が好きなんですよね。お酒が人と空間を結ぶっていう感じですね。お酒が無いと喋れない事もいっぱいありますから。ガージェリーは、カフェでコーヒーを飲む感覚で飲みたいですよね。のどは乾いてるんだけどコーヒーじゃないし、っていう時にこれがあったら絶対飲みます。お昼から飲むお酒って贅沢な感じしますよね。私も撮影が早く終わった時とか、カフェでお昼からワインを飲んだりします。贅沢とか道楽がないと、ほんとにもう人間ストレスがたまって体悪くなっちゃいますから。ちょっとした贅沢って、それだけで癒されますよね。
 
   
  武蔵野美術大学を卒業後、松濤スタジオで撮影の基礎を学ぶ。2000年にカメラマン玉川竜氏に師事、2002年の誕生日を境に独立。2003年、個人で積極的にアーティスト活動を行うクリエイターのトータルプロデユースで知られるFEMMEに参加。主な仕事は、「DAZED&CONFUSED JAPAN」「BARFOUT!」「ELLE JAPON」「流行通信」「装苑」、アーティストポートレートやCDジャケット等多数。  
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