-まずお2人が運営されているギャラリーカフェについて伺いたいのですが、appelとはどういう意味を持つのですか?
appelというのは呼びかけとか呼び声とかいう意味なんです。ひと方向だけ じゃなくて、いろんな方向からの声によって世界が成り立ってるっていう言葉で、有名な作家さんも若い作家さんも同等に紹介する場所、いろんな声が交錯する場所になったら良いな、っていう思いがあって名付けました。例えば企画展を通してこちらから声を発信した時に、それをお客さんに押し付けるんじゃなくて、曖昧な部分を残しておいて自由に解釈して貰いたいし、お客さんの方からもいろんな声を発して頂きたい。appelに喫茶を付けたのも、やっぱり喫茶に来たついでにアートを見て楽しんでもらいたいからですし、普通にアートを見に来たんだけど喫茶があることによって知らない人と会話が行われて別の発想が得られたり、そこで交流が生まれたり、そういうことが起きるのが面白いと思ったからなんです。appelでの活動はそもそもアートの裾野を広げたい、っていうことから始まっているので、その延長として9月に「アートと喫茶」という名前でイベントをやる予定です。都内12カ所のギャラリーカフェさんでそれぞれ企画展をご紹介いただいて、普段ギャラリーに行かないけどアートには関心がある女の子はもちろん、いろんな方に、もっと身近な場所でアートに接してもらえたら、ということで。初めは興味本位でも、そこから新しい体験をやるときのワクワク感を感じてもらいたいし、何かそこで見た事をきっかけに新しい発想が生まれたりするといいな、appelを触媒としてもっとアートをそれぞれの生活の中で使っていただけないかな、と思っています。
-ご自分の個展も開催されていますが、そこでは何を描こうとしているのですか?
描きたいものは、簡単にいうと光みたいなものです。光が溢れて一瞬眩しくて何も見えないことってあると思うんですけどそんなときに、当たり前の日常的な風景や経験したはずの過去の出来事と想像が、曖昧な記憶の中で混ざったような映像として見えるような気がするんです。眩しくて何も見えない時にも何かを見ようとするせいかもしれないですけど、そこで見える映像はひょっとしたらもっと先の、未来を予見するようなものかもしれないという気がしていて、その光を描きたいと思っています。光とは先の方にある希望や目標のようなもので、日常生活の中の私たちの気が付かないところに実は溢れていると思うんです。個々人の想いは社会に繋がっているはずで、一人一人が理想やイメージを持ちつづけることが未来につながると思うんです。だから、絵を描く事で、誰かの新しい行動のきっかけだとか、考えるきっかけだとかになって、より良い未来を想像する人が増えてくれると嬉しいです。私が絵を描くのは自分もそういう風に考えたいからなんです。自分自身で考えるきっかけを作っているのかもしれません。
-今後やりたいことは何ですか?
いろいろあるんですけど、appelで今年から始めたclassroom appelっていう講座がありまして、いろいろなところで活躍されているミュージシャンや、写真家の方などをお招きして、ほんとに狭いとこなんですが、トークイベントや即興や音響的なアプローチのライブ等を不定期に開催してるんですね。classroom appelでは、テーマを限定せずにいろいろな方を紹介出来るようにして、多くの方がご参加いただけるようにしていきたいです。他には、最近「きのこ舎」というレーベルを立ち上げて、この間第1号を発刊したばかりなんですけど、第2号、第3号を出して行きたいです。今の時代にある本のほとんどが大量生産を前提とした作り方―デザインだったり製法だったり―だと思います。時代に逆行しているようですが、もっと個人的で、趣味性の強い、手作りの良さを持つアートブックを作れば作家の世界がもっと身近に感じられて、それ自体が作家の作品になるんじゃないか、という発想から始めたものなんですけど。第1号の作家さんは奥まゆみさんという女性で、わりとお菓子とか、小動物とか、布の切れ端とか、生クリームの垂れている感じとか、そういうモチーフを使った作品を制作されるんで、その方に合わせてレースペーパーを入れたりとか、糸くずを入れたりとかしています。幅広くいろいろやってるようなんですけど、でもその辺は全部繋がってて、良い物を必要としている人に届けたいと思っているだけなんです。デザインというのは基本的にデザイナーがタレントみたいに前に出るんじゃなくて、より良いものを提案していく事、モノとヒトの橋渡しをすることが重要だと思うんですけど、良い商品を求めている人にきちんと届くデザインをして、そのことで生活を豊かにするきっかけになればと思って活動しています。それはappelの活動もお店もイベントも考え方としては一緒なんです。いろんな人に来てもらえるきっかけ、うちだけに限らずアートを見に行くきっかけになること、それをどんどん提案することも含めてデザインだと思っているんで、そういうことはやって行きたいなと思ってます。あとはコンスタントに続けて行きたい。やっぱりマガジンの方のappelも10号くらいになってきたので、集めて頂いてる方もいらっしゃるという意味での責任を考えると、ちゃんと運営していきたいですね。
アート/グラフィックデザインを中心に活動
個展 
2003.12. gallery cafe & used cloth SORA(経堂)
グループ展 
2001. 「日本・現代・ハイツ」現代HIGHTS Gallery Den(東北沢)
2002.8. 「Art Space Life Oyamadai Final」appel(経堂)
2003.2. 「JUCA +TATTAKA ≠Bit Rabbit」appel(経堂)

最近のデザインワーク
現代企画室発行 シリーズ 娘(子どもたち)と話す 〜ってなに?
装丁:『娘と話す アウシュヴィッツってなに?』アネット・ヴィヴィオルカ著 山本規雄訳 
http://www.jca.apc.org/gendai/index.html
コクヨ  An
クリエイティブ・ディレクション・ロゴ考案:文具のコクヨがアーティストとコラボ
するプロジェクトAn(エー・エヌ)
http://www.kokuyo.co.jp/an/

1997 TATTAKA(高橋辰夫)とビジュアル・ユニットBit Rabbitを結成
1999 アート・ミニ・マガジン“appel”発刊
2002 ギャラリー・カフェ・ブックス“appel”開店
■2004年9月以降の企画展
 ●第18回 画廊企画 09/15木-10/5火 1+2F 
  FASHION IDEA MAGAZINE easy traveler×Art Director Junichi Inaba 
  presents <IMAGE of FASHION> 
関連イベント 9/29「ファッションなsweets」を食べる日 1Fカフェにて
  パトリック・ライアン(YAB-YUMデザイナー)藤田一浩(フォトグラファ−)他
 ●第19回 画廊企画 11/4木-23火 1+2F 久家靖秀展

■2004年9月以降のclassroom appel(日程はお問い合わせください)
  ■ブリティッシュ・ポップ再考 平野千枝子+小田島等
  ■音響×アート 大友良英×伊東篤宏
  ■音響×アート2 出演未定(Improvised Music from Japan presents)
  ■2004年のアートを振返る (予定)

■アート・ミニ・マガジン「appel」販売店のお知らせ
  ●直売店
  appel(経堂)、NADiff(表参道)、モット・ザ・ショップ(MOT)、OFF SITE(代々木)、現代HEIGHTS(東北沢)、
  タコシェ(中野)、ロバロバカフェ(経堂)
  ●地方・小出版取扱店
  書肆アクセス(神保町)、ジュンク堂(池袋・銀座)、ブックファースト(渋谷)、シェルフ(外苑) 他
  *全国の書店でも注文できます。書店注文の際は「発売・リコシェ」「取扱・地方・小出版流通センター」と言ってください。

お問合せ
http://www.bit-rabbit.com/p1new.html
b_rabbit@gb3.so-net.ne.jp