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美味しい樽詰ビールを提供する秘訣 – 保管と洗浄

先日の記事「「生ビール冷えてます」のウソとホント – ビールサーバーの話」で、ガージェリーでは、より品質の高い樽詰ビールを提供していただくために小道具を用意している・・・と書きました。今回は、この小道具を紹介しつつ、より美味しい樽詰ビールを提供する秘訣について紹介しましょう。

保冷セット

美味しさの秘訣 – キーワードは「保管」と「洗浄」

多くの飲食店で使用されているビールサーバーは、樽自体は冷えていなくても冷たいビールが提供できる瞬冷式サーバーです。省スペースでとても便利な瞬冷式サーバーですが、美味しい樽詰ビールを提供するポイントが2つあります。

  • 樽の保管温度
  • サーバーの洗浄頻度とその方法

何と言うことはない、ごく単純な話なのですが、この2つができていないケースが意外と多いのです。

少しでも低い温度でビールも快適

まずは樽の保管温度。大切なのは、少しでも低い温度で樽を保管するということです。これは、開栓の前後を問わず同じです。樽がサーバーにつながっていない時は冷蔵庫に入れられればそれがベスト。未開栓であっても日のあたる場所に山積みするなどというのは論外、自らビールを不味くしているようなものです。特に、使いかけの樽の保管については未開栓の樽以上に気を遣っていただきたい。何故か?

  • 樽を開栓すると樽内に必ず酸素(空気)が入ります。そして、その酸素がビールを酸化劣化させる元凶になります。酸化劣化は温度が高いほど速く進むので、劣化を遅らせるには少しでも低い温度での保管が良いのです。
  • また、樽を開栓してビールサーバーに繋ぐと、どうしてもビールホース等を通じてビール酵母以外の微生物やその他の汚れが樽内に混入することが避けられません。これらによる香味の変化を抑えるためには、できるだけ温度が低い方が良いのです。

以上のような理由から、営業時間外も樽をサーバーにつないだまま、室温が高い厨房等に放置するのはできる限り避けてもらいたいのです。営業時間外は樽を必ず外し、冷蔵庫は無理としても、店内の少しでも温度の低い場所で保管するだけで、香味の劣化速度を遅くすることができるのですから。

ガージェリーでは、上の写真のような保冷袋、保冷材を用意してお店に提供しています。冷蔵機能があるわけではありませんが、少しでも低い温度で樽を保管していただきたいという思いから作った小道具です。

グラスや皿、洗浄しないで翌日使いますか?

一方、サーバーの洗浄も重要です。サーバーを使用した後、翌日までそのまま放置することは、一度使ったグラスや皿を放置して翌日そのまま使用するのと同じこと。一日の営業終了後には必ずビールを水で押し出し、ビール配管内にビールが残らないようにする必要があります。これを水通しと呼んでいます。そうすることで汚れの蓄積を防ぎ、毎日美味しいビールを提供することができるようになるのです。

サーバー洗浄の秘密兵器

下の写真、何だか分かりますか?

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実はこれ、サーバーのビール配管内を洗浄するスポンジなのです。サーバーは毎日水通しをしてほしいと書きました。しかし、水通しだけでは、汚れたグラスを流水にさらすだけでこすらないのと同じこと。こびりついた汚れは落ちません。そこで、週に1回程度、このスポンジをビール配管に通す「スポンジ洗浄」が必要になってくるのです。
「日々の水通し+週1回のスポンジ洗浄」・・・これがガージェリーがおススメしているサーバー洗浄の基本です。そして、これを励行していただいているお店の樽詰ビールは、間違いなく美味しいはずです。

樽詰ビールは手間がかかります

ここまで書いたように、美味しい樽詰ビールを提供するということは、とても手間がかかるものなのです。また、毎日水通しをするということは、それだけロスが出るということでもあります。ビールを飲まれる皆さんも、美味しい樽詰ビールを提供しているお店はそれだけの手間を惜しんでいないんだ・・・ということを思って飲んでみてください。ビールを見る目、お店を見る目が変わるかもしれません。

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