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粋な飲み手は知っている – 香り立つ常温ビール

ちょっと粋なビールの楽しみ方、常温ビールについて書いてみます。

キンキンに冷やして飲むビール、美味しいですよね。最近は「エクストラコールド」などという冷たいだけの飲みモノまでありますが、それはそれ、暑い夏に汗を流した後で飲めば、身も心もリフレッシュします。でも、ビールの味わい方はそれだけではないのですよ。寒い日が続く今年の冬、グラスを両手で包み込み、次第に花開く芳醇な香りを体験してみてください。

G23Wブランデーグラス

細かいことは置いておき、ザックリいきます。ビールは大きく分けて2種類あります。ヨーロッパを中心により古くから飲まれてきたエールタイプのビール、日本でおなじみのピルスナータイプのビールです。

冷やしても、常温でも・・・味わい豊かなエールビール

ビールは日本酒やワインと同じ、醸造酒です。日本酒は、冷酒、常温、ぬる燗、熱燗と温度を変えることで多様な変化を見せてくれます。また、ワインも種類によって飲みごろの温度は異なり、最近ではホットワインも見かけますね。ビールも同じ醸造酒仲間ですから、そういう飲み方ができるはず。
実は、常温でも美味しく飲めるビールは別に珍しくなく、特に、エールタイプのビールにはそういうものが多いのです。英国のパブで飲むリアルエールは常温に近い温度で提供されますし、もちろんガージェリーも常温でも美味しいビールの一つです。

冷やして美味しいピルスナータイプ

一方、日本では大多数を占めるピルスナータイプのビールはどうでしょうか。その歴史は比較的浅く、起源は15世紀頃。そして産業革命の進行と共に冷凍機が発明された19世紀になって爆発的に広まりました。このビールは、低温による熟成を特徴としており、飲みごろの温度も低め。冷やして飲むのが前提で、常温で飲むのはあまりおススメできません。
日本でビールの商業生産が始まった明治初期以降、大手ビール会社はピルスナータイプのビールばかりを作ってきました。そのため、日本人の間には、「ビールは冷やして飲むもの」という概念がしっかりと確立されています。「ビール」という酒の楽しみ方の枠が極めて狭くなってしまっているのが残念なところです。

グラスを替えて香りを楽しむ

ビールを常温で飲む場合、一番の特徴は香りがより立ってくることでしょうか。その香りを楽しむということになると、グラスの選択も重要になってきます。ガージェリーの象徴でもあるリュトン・グラス。このグラスはブランドストーリー、ビジュアル優先でデザインされていますので、常温ガージェリーを味わう際には別のグラスも使ってみましょう。

上のタイトル写真はブランデーグラスで飲むGARGERY23 Wheat。元々フルーティーなフェノール香が特徴のビールですが、その華やかさが一層引き立てられます。香りを楽しんだ後、口に含んでみます。冷たい状態よりも、その味わいがしっかりと舌に残り、甘味、酸味、苦味が渾然一体となった心地よい後味にクラクラします。

次は、ワイングラスで赤ワインのように飲むGARGERY23 BLACK

G23Bワイングラス
グラスを両手で包みこみ、ビールが常温に近づいてくると、ローストしたモルトによる香ばしさが沸き立ってきます。このロースト香がスタウトの魅力です。ゆっくりとグラスを揺り回しながらこの香りを楽しみ、ガスが適度に抜けたところで口の中へ。まろやかで、ふくよかな甘味、その中に潜む微かな苦味と焦げ味、そうした香味が口中を満たし、これはもうビールではありません。

ホットスタウトはもう少し工夫が必要・・・かな

ということで、常温で飲んで美味しいGARGERY23を紹介しましたが、調子に乗ってホットスタウトを試してみました。

スタウト湯煎
GARGERY23 BLACKをボトルごと湯煎します。うちの事務所はガスを契約していないので電気ポットを使ってみました(笑)。そして、しっかりと温まったところで飲んでみます。
まずは香り・・・とっても良いです。ウットリするくらいフルーティーで切なく甘い香りが鼻腔をくすぐりました。そして口に含むと・・・うっ、ちょっと苦い。温め過ぎたようです。常温では甘味とバランスし、ほとんど気になりませんでしたが、温めると苦味が浮いてきてしまいます。ホットで飲むには温め過ぎないようにするか、苦味自体をもう少し低めにした方が良いようです。そのバランスさえ取れれば、ホットスタウト・・・イケルと思います。

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